ライブドア事件元会計士の実刑を破棄、猶予刑に…東京高裁
ライブドア事件で粉飾決算に加担したとして、旧証券取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)の罪に問われた元公認会計士・久野太辰(ひさのたいしん)被告(43)の控訴審判決が19日、東京高裁であった。中川武隆裁判長は「犯行は不承不承の自己保身的なもので、積極性が強くはなかった」と述べ、懲役10月の実刑とした1審・東京地裁判決を破棄し、懲役1年、執行猶予4年の有罪判決を言い渡した。
判決は、「主要な顧客であるライブドアを失うことを恐れて踏み切った犯行で、公認会計士に要請される職責への自覚を欠き、責任は重い」と指摘した。その一方で、久野被告が元同社取締役・宮内亮治被告(41)(上告中)らに取り込まれてしまい、不正な利益計上を修正するよう求めながら押し切られた面があることや、1審判決後の2007年6月、金融庁から会計士登録の抹消処分を受けていることなどを挙げ、実刑は重すぎると判断した。
判決によると、久野被告は、元同社社長・堀江貴文被告(35)(上告中)らと共謀し、ライブドアの04年9月期連結決算で、同社株売却益などを売り上げに不正計上し、約3億円の赤字を約50億円の黒字と偽った。久野被告は当時、ライブドアの監査責任者で、粉飾を知りながら、問題がないとする意見を監査報告書に付けていた。
久野被告は1審で無罪を主張したが、控訴審では一転して起訴事実を認めた。
(2008年9月19日13時36分 読売新聞)
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