ネット名誉棄損:1審の無罪破棄し罰金命令−−東京高裁
ラーメンチェーン経営会社を中傷する文章をインターネットのホームページ(HP)に掲載したとして、名誉棄損罪に問われた会社員、橋爪研吾被告(37)の控訴審判決で、東京高裁は30日、1審の無罪判決を破棄し、求刑通り罰金30万円を言い渡した。ネット上の書き込みで同罪が成立する要件について、1審は「マスコミ報道や出版の場合より限定すべきだ」と判断したが、長岡哲次裁判長は「ネットに限って基準を変えるべきでない」と覆した。
これに対し、2審は「ネット情報が不特定多数に閲覧されることを考えると、被害は深刻になり得る」と指摘。ネットに限って名誉棄損罪の成立要件を限定するのは「被害者保護に欠け、適当ではない」と結論付けた。
判決後、橋爪被告は「やれるだけの調査をしたのに刑事罰を科せられては、表現が萎縮(いしゅく)してしまう。問題企業や団体をサイトで告発している個人が片っ端から犯罪者にされてしまうのか」と話し、上告の意向を示した。東京高検の渡辺恵一次席検事は「適正、妥当な判決」とのコメントを出した。【伊藤一郎】
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■解説
◇被害者保護を重視
東京高裁判決は、ネット上での誹謗(ひぼう)・中傷や人権侵害が横行している状況に警鐘を鳴らし、被害者保護を重視したものだ。判決は、ネットの拡大により「表現内容の信頼度の向上はますます要請され、それにより真の表現の自由が尊重される」とも言及した。ネット上での個人の自由な発言がどこまで許されるのか、議論を深める必要があるだろう。
毎日新聞 2009年1月31日 東京朝刊
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20090131ddm041040081000c.html
★この刑事裁判は一審で無罪になって、民事裁判(損害賠償)では被告が賠償命令になっています。
実際のところ、真実の追及もある反面、真実性がなかったり、揶揄があったりとする部分があるのでその点が名誉毀損ということで
東京高裁で逆転有罪になっているものと考えられます。ネットは表現が自由にできる反面名誉毀損や秘密性が世に出回ってしまう
欠点もあるため、気をつけるべきでしょう。