2009年05月12日

老後資金も水の泡、丸美架空社債被害者ら怒り

老後資金も水の泡、丸美架空社債被害者ら怒り


公認会計士の名前が無断で記載された社債のコピー 架空会社名義の巨額の社債発行に捜査の手が入った。民事再生手続き中のマンション管理業「丸美」(福岡市)による疑惑の資金集め。福岡県警などは12日、関係先の捜索を一斉に始め、全容解明に着手した。

 同社は架空会社の社債を約20億円分売りさばいたほか、昨年8月に破綻(はたん)する直前までリゾート会員権などを販売したとされ、債権者たちは「老後の資産だったのに、許せない」と憤った。
 福岡県内の60歳代の男性は総額8000万円を投じ、社債を購入した。男性は2005年、丸美が管理するマンション一室を購入。翌06年、部屋を訪ねた丸美幹部は同社が約200億円の利益を上げた内容の決算報告書を手に「丸美は近く上場する。まだまだ伸びる」などと言い、架空社債の購入を薦めた。
 年10%の配当は約1年半続いた。当初は数百万円だった投資額を幹部に誘われるまま買い増し、元本と利息保証の契約内容に安心しきっていた。ところが昨年3月、経済事情に詳しい知人から「丸美の経営は危ない」と聞き、同社会長(当時)が所有するビルの登記を調べると、すでに売却された後だった。
 不安が募り、「何時でも解約可能」という内容の契約を思い出し、破綻半月前の昨年7月、丸美の担当幹部を呼んで解約を求めた。幹部は「銀行の支援があるので10月末の手形決済までは絶対につぶれない」「弊社所有のホテルやマンションも売るので迷惑はかけない」と繰り返し、解約を引き延ばした。
 しかし、2週間後に「私は退社します。お世話になりました」と幹部から手紙が届き、丸美との連絡は途絶えた。食品会社を営む男性は、老後のために蓄えた資金の大半を失った。今回のようなトラブルに備えて幹部との生々しいやりとりを録音したICレコーダーだけが手元に残る。捜索の知らせを聞き、「仕事を通じて人を見る目は養ったつもりだったが……」と声を震わせた。
 一方、架空会社の社債に「社長」として無断で名前を使われた公認会計士の男性(54)は不動産の証券化業務に精通しており、05〜07年にかけて丸美と顧問契約を結んでいた。
 架空会社が所在地とした住所は、会計士の事務所が入居するビル。今年1月、会計士は読売新聞がこのビルを取材したことで初めて社債に名前が使われていることを知った。会計士は12日、代理人弁護士を通じ、「名前などを無断で使用して悪質だ。丸美側からは一切説明がなく、真相究明を求める」とコメントした。

(2009年5月12日  読売新聞)
http://kyushu.yomiuri.co.jp/news/national/20090512-OYS1T00825.htm

 ★ 株式会社丸美(まるび)は平成電電株式会社と同じ福岡県福岡市が本拠地で不動産管理会社、匿名組合の証券化ということで類似した投資スキームで話題となっていました。
  2009年5月12日に福岡県警察本部より家宅捜索の強制捜査が入り、関係者の逮捕までは時間の問題とも言われています。

平成電電被害者の会 談・投資奮闘日記
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