足利事件の再審決定…高精度DNA鑑定の威力
足利事件の再審開始が決定したことは、精度が向上したDNA鑑定の「威力」を見せつけただけでなく、戦後の再審事件の流れを変える可能性をはらんでいる。
「免田」「財田川」など1980年代に再審無罪判決が相次いだ5件の死刑・無期懲役事件では、自白などの旧証拠に、血液鑑定などの新証拠を加えて評価し直した結果、自白の信用性が揺らぎ、「犯罪の証明がない」として無罪が導かれた。
確定判決では、菅家さんが「犯人」であることを直接示す証拠は自白のみ。導入されたばかりのDNA鑑定がそれを支える形になっていたが、再鑑定で自白は支えを失い、その信用性は崩れ去った。
菅家さんの自白については過去の冤罪(えんざい)事件などの教訓から、適正な取り調べをすべきだと意識されていたはずで、いったん自白した後は、取調官による露骨な供述の誘導はなかったと菅家さんも認めている。
それでもなぜ虚偽の自白が生まれ、それを見抜けなかったのか。警察も検察も、裁判所も多角的な検証を行い、「後知恵」でない教訓を見いだす必要がある。(稲垣信)
(2009年6月23日14時46分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090623-OYT1T00661.htm?from=navr
★ 足利事件の最新が予想通りに決定しました。今の状態で裁判をやったとしたら、明らかに無罪になるということは「再審」の要件になります。