特捜検事、郵便事件で押収資料改ざんか
まさに、検察捜査の根幹を揺るがす事態になりました。厚生労働省の元局長が無罪判決を受けた郵便不正事件の捜査を担当した大阪地検特捜部の主任検事が、証拠として押収したフロッピーディスクのデータを書き換えていたことがわかりました。この検事は、大阪地検の中ではエース的な存在だったということです。
「こんなことまで起こるのか、ありうるのかと、非常に恐ろしいという気持ちがしました。もしこういうことが起こるならば、本当に何を頼りにしていいかわからない」(厚労省・村木厚子元局長)
会見で憤りをあらわにする厚生労働省の村木厚子元局長。これが問題のフロッピーディスクです。村木元局長の部下だった上村勉被告の自宅から、大阪地検特捜部が押収したものです。
上村被告は、実体のない障害者団体に対し嘘の証明書を発行した罪に問われていますが、フロッピーには、その際に使われたデータが入っていました。
しかし、特捜部からフロッピーの返却を受けた後、弁護人が調べたところ、データの最終更新日時が2004年6月1日の午前1時から6月8日に21時に書き換えられていたことがわかりました。
「(Q.改ざんはあった?)あったと思います。6月1日が6月8日に。これからの裁判に大きな影響を与えると思う」(鈴木一郎弁護士〔上村被告の弁護人〕)
6月1日から8日へ、書き換えはどんな意味を持つのでしょうか。検察が描いた構図では、村木元局長が上村被告に証明書作成を指示したとされるのは、2004年6月上旬です。データの最終更新が6月1日の午前1時ならば、元局長の指示は5月31日以前にあったことになり、主張は矛盾します。しかし、データ最終更新が6月8日であれば、検察のストーリーと合致することになります。
「主任検察官自体が一番重要な証拠のフロッピーディスクを自ら手を加えて、検察のストーリーに合うよう改ざんした(という疑惑)。前代未聞じゃないでしょうか」(弘中惇一郎弁護士〔村木元局長の弁護人〕)
この事件の捜査を現場で指揮し、公判にも毎回立ち会っていたのは前田恒彦主任検事(43)。大阪地検が20日、事情を聞いたところ、データの書き換えを認めたということです。
前田検事は、東京地検特捜部からおととし4月、大阪地検特捜部に異動。小室哲哉プロデューサーによる詐欺などの捜査でも主任を務めるなど、部内ではエース的存在とされていました。
大阪地検は今のところ、前田検事がデータを書き換えた理由については明らかにしていませんが、最高検は21日の会見で、証拠隠滅の疑いもあるとみて捜査を始めることを明らかにしました。
「これが真実であるということになれば、到底許されない。しっかりとした捜査をしてもらって、その内容を聞いてからいろんなことを考えたい」(柳田法務相)
「今回の事件はフロッピーの問題だけではない。何があって、なぜこういう形になったのか検証していただいてこれからの検察の在り方にいかしてほしい。個人の問題にわい小化して欲しくない」(厚労省・村木厚子元局長)
フロッピーは裁判には証拠として提出されず、判決に影響を与えるものではありませんでしたが、今回のデータ改ざん疑惑は、検察捜査の根本を揺るがす事態に発展する可能性があります。(21日17:49)
http://news.tbs.co.jp/newseye/print4532007.html
(2010/9/21/火/tbs-i)
★ 厚生労働省の郵便不正事件は被告人の無罪だけでなく、とんでもない方向に動くことになりました。
posted by スズキ at 20:38| 東京 ☀|
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厚生労働省郵便不正事件
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